歯周病治療の通院回数が気になる方へ
「歯周病の治療って、何回くらい通えばいいんだろう・・・」
歯科医院で歯周病と診断されたとき、多くの方がこんな疑問を抱かれます。仕事や家事で忙しい毎日の中、治療にどれくらいの時間が必要なのか、あらかじめ知っておきたいですよね。
歯周病治療の通院回数は、症状の進行度によって大きく変わります。軽度であれば数回の通院で改善が見込めますが、重度の場合は長期的な治療が必要になることも・・・。ただし、適切な治療を受ければ、確実に改善へと向かいます。
この記事では、歯周病治療の通院回数と期間について、症状別に詳しく解説します。初診から治療完了までの流れ、通院のポイント、治療期間を短縮するコツまで、患者さんが知りたい情報を網羅的にお届けします。
歯周病の進行度と通院回数の関係
歯周病治療の通院回数を理解するには、まず歯周病の進行段階を知ることが大切です。
歯周病は「歯肉炎」から始まり、放置すると「軽度歯周炎」「中等度歯周炎」「重度歯周炎」へと進行していきます。それぞれの段階で必要な治療内容が異なるため、通院回数も変わってくるのです。
歯肉炎の段階(通院回数:2〜3回程度)
歯肉炎は歯周病の初期段階です。歯ぐきに炎症が起きているものの、歯を支える骨(歯槽骨)には影響が及んでいない状態を指します。
この段階では、**ブラッシング指導**と**スケーリング**(歯石除去)を中心とした治療を行います。正しい歯磨き方法を身につけ、歯垢や歯石を除去することで、多くの場合は2〜3回の通院で改善が見込めます。
歯肉炎の特徴は、歯磨きの際に出血しやすいこと。ただし痛みはほとんどないため、見過ごされがちです。
軽度歯周炎の段階(通院回数:4〜6回程度)
軽度歯周炎になると、歯と歯ぐきの境目(歯周ポケット)が深くなり始めます。歯周ポケットの深さは3〜4mm程度で、歯槽骨にも少しずつ影響が出始める段階です。
治療では、より丁寧な**スケーリング**と**ルートプレーニング**(歯根の表面を滑らかにする処置)が必要になります。歯周ポケット内の歯石を確実に除去するため、通常は4〜6回程度の通院が必要です。
この段階での治療が非常に重要です!早期に適切な治療を受けることで、歯周病の進行を食い止められます。

中等度歯周炎の段階(通院回数:6〜10回程度)
中等度歯周炎では、歯周ポケットが5〜6mm程度まで深くなり、歯槽骨の吸収も進んでいます。歯がぐらつき始めることもあります。
この段階では、基本的な歯周治療に加えて、場合によっては**歯周外科処置**が必要になることも。歯肉を切開して歯根の深い部分に付着した歯石を除去する「歯肉剥離掻把術(FOP)」などが行われます。
通院回数は6〜10回程度が目安となりますが、症状によってはさらに増えることもあります。治療後の経過観察も重要になってくる段階です。
重度歯周炎の段階(通院回数:10回以上)
重度歯周炎は、歯周ポケットが7mm以上と非常に深く、歯槽骨の吸収も著しい状態です。歯が大きくぐらつき、膿が出ることもあります。
治療は長期にわたり、**歯周外科処置**や**再生療法**が必要になります。
通院回数は10回以上、場合によっては数ヶ月から1年以上かかることもあります。ただし、根気強く治療を続けることで、歯を残せる可能性は十分にあります。

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歯周病治療の流れと各段階での通院回数
歯周病治療は段階的に進められます。それぞれの段階で何が行われ、どれくらいの通院が必要なのか、詳しく見ていきましょう。
初診・応急処置(1回目)
初診では、まず痛みや腫れなどの症状がある場合、応急処置を行います。日常生活に支障がある状態を改善することが最優先です。
急性症状がない場合は、そのまま精密検査へと進みます。初診時の対応は患者さんの状態によって異なりますが、通常は1回で完了します。
精密検査(2回目)
精密検査では、お口の状態を詳しく調べます。
**歯周ポケット測定**(6点法)、**歯の動揺度検査**、**レントゲン撮影**、**口腔内写真撮影**など、多角的な検査を実施します。これらの検査により、歯周病の進行度を正確に把握できます。
検査は丁寧に行うため、当日は検査のみとなります。検査結果をもとに、次回の診察で治療計画を立てていきます。

治療計画とカウンセリング(3回目)
精密検査の結果をもとに、現在のお口の状況を詳しくご説明します。カウンセリングルームにて約1時間かけて、病状の診断、原因の解説、治療計画をお伝えします。
患者さんのご意見やご要望も丁寧にお聞きし、一緒に最適な治療方針を決めていきます。治療への不安や疑問があれば、どんなことでもお尋ねください。
歯周基本治療(4〜8回目程度)
歯周病治療の中心となるのが、この歯周基本治療です。
**ブラッシング指導**では、正しい歯磨き方法を習得していただきます。「磨いている」と「磨けている」には大きな差があります。担当の歯科衛生士が、患者さん一人ひとりに合わせた磨き方を丁寧に指導します。
**スケーリング**と**ルートプレーニング**では、歯垢や歯石を徹底的に除去します。歯周ポケット内の深い部分に付着した歯石も、専用の器具を使って丁寧に取り除いていきます。
歯周基本治療の回数は、歯周病の進行度によって異なりますが、通常は4〜8回程度です。1回の治療時間は30分〜1時間程度となります。
再評価検査(9回目程度)
歯周基本治療が終わったら、再度検査を行います。
歯周ポケットの深さ、歯肉からの出血の有無などを確認し、治療の効果を評価します。理想的な状態は、すべての歯周ポケットが3mm以内で、歯肉からの出血がない状態です。
初期の歯周病であれば、歯周基本治療のみで大きく改善されるはずです。
修復治療(必要な場合のみ)
歯周病が安定した後、必要に応じて冠を被せたり、ブリッジや義歯を作成したりします。
当院の院長は、大学病院にて入れ歯・被せ物に特化した講座に所属しており、難症例にも対応可能です。機能面だけでなく、審美面にもこだわった治療をご提供します。

メンテナンス・SPT(定期的な継続管理)
歯周病治療が完了したら、定期的なメンテナンスが不可欠です。
**SPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)**は、歯周病安定期治療のことで、病状安定となった歯周組織を維持するために行う定期的な治療です。歯周ポケットが3mm以内にはなっていないが安定している状態で実施します。
一方、**メンテナンス**は、治癒した歯周組織(歯周ポケットがすべて3mm以内)を長期間維持するための管理です。
当院は「かかりつけ強化型歯科診療所」の認定を受けており、SPTを1ヶ月ごとに保険診療で受けていただけます。定期的なケアにより、歯周病の再発を防ぎ、健康な状態を保ちます。
通院回数を左右する重要な要因
歯周病治療の通院回数は、いくつかの要因によって変わります。
歯周病の進行度
最も大きな要因は、やはり歯周病の進行度です。
軽度であれば数回の通院で済みますが、重度になると長期的な治療が必要になります。早期発見・早期治療が、通院回数を減らす最大のポイントです。
患者さんのセルフケアの質
どれだけ歯科医院で丁寧に治療を受けても、日々のセルフケアが不十分では治療効果は半減してしまいます。
正しいブラッシング方法を習得し、毎日実践することで、治療期間を大幅に短縮できます。歯垢は24時間で再び付着し始めるため、毎日のケアが本当に重要なのです。
全身疾患の有無
糖尿病などの全身疾患がある場合、歯周病の治療が難しくなることがあります。
糖尿病と歯周病は相互に影響し合う関係にあり、血糖コントロールが不良だと歯周病も悪化しやすくなります。全身疾患をお持ちの方は、主治医と連携しながら治療を進めていきます。
生活習慣(喫煙など)
喫煙は歯周病の大きなリスク要因です。
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、歯肉への血流を悪化させます。その結果、歯周病が進行しやすく、治療効果も出にくくなります。禁煙することで、治療の成功率は格段に上がります。

通院の継続性
予約をキャンセルしたり、治療を中断したりすると、当然ながら治療期間は延びてしまいます。
仕事や家事で忙しい中でも、できる限り定期的に通院することが大切です。治療計画に沿って継続的に通院することで、効率的に治療を進められます。
通院を効率的に進めるためのポイント
限られた時間の中で効率的に治療を受けるために、いくつかのポイントをご紹介します。
予約を守り、計画的に通院する
歯周病治療は段階的に進めるため、計画的な通院が重要です。
予約日時を守ることで、スムーズに次の治療ステップへ進めます。やむを得ずキャンセルする場合は、できるだけ早めにご連絡いただき、次の予約を取り直してください。
当院では24時間ネット予約が可能です。お仕事帰りや休日など、ご都合の良い時間帯をお選びいただけます。
ブラッシング指導を真剣に受ける
ブラッシング指導は、治療の成否を左右する重要なステップです。
「今までの磨き方で問題ない」と思わず、歯科衛生士のアドバイスを素直に受け入れてください。正しい磨き方を身につけることで、治療効果が飛躍的に向上します。
自己流の歯磨きを続けていても、歯周病は治りません。
疑問や不安は遠慮なく相談する
治療に関する疑問や不安があれば、どんな小さなことでも遠慮なくお尋ねください。
治療内容を理解し、納得した上で進めることが大切です。当院では、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、丁寧な説明を心がけています。
生活習慣の改善に取り組む
喫煙習慣がある方は、禁煙に挑戦してみてください。
また、規則正しい生活、バランスの取れた食事、十分な睡眠なども、歯周病治療には重要です。生活習慣を見直すことで、治療効果を高められます。

定期メンテナンスを継続する
治療が終わったからといって、安心してはいけません。
歯周病は再発しやすい病気です。定期的なメンテナンスを受けることで、良好な状態を長く維持できます。メンテナンスの頻度は、お口の状態に応じて1〜3ヶ月ごとが目安です。
根分岐部病変がある場合の注意点
奥歯(大臼歯)には、歯根が枝分かれしている部分があります。この部分を「根分岐部」と呼びます。
歯周病が進行すると、根分岐部の骨まで失われてしまうことがあります。この状態を**根分岐部病変**と言い、進行度によってⅠ度からⅢ度に分類されます。
根分岐部病変がある場合、通常のブラッシングでは届かないため、定期的な専門的ケアが不可欠です。
根分岐部病変の管理方法
根分岐部病変が見つかった場合、3ヶ月ごとに専用の器具(超音波スケーラーのペリオチップ)で歯垢・歯石を除去する必要があります。
場合によっては、歯や歯ぐきの形を整えて、歯ブラシが届きやすい形態にすることもあります。また、むし歯になりやすいため、フッ素などで予防することも重要です。
当院では、根分岐部病変がある方に対して、必ずSPT(歯周病安定期治療)を実施しています。定期的な管理により、進行を抑え、歯を長く保つことができます。
歯周病と全身の健康との関係
歯周病は、お口の中だけの問題ではありません。
歯周病菌が口腔内から血管や気管に入り込むと、全身を巡ってさまざまな疾患を引き起こすことが、研究により明らかになっています。

歯周病が影響を及ぼす全身疾患
**心臓病**・・・歯周病菌が血管に入り込むと、動脈硬化を促進し、心筋梗塞や狭心症のリスクを高めます。
**脳卒中**・・・歯周病は脳血管疾患のリスク要因の一つとされています。
**糖尿病**・・・歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼし合います。歯周病があると血糖コントロールが難しくなり、逆に糖尿病があると歯周病が悪化しやすくなります。
**肺炎**・・・高齢者の誤嚥性肺炎の原因の一つに、口腔内の細菌があります。
**低体重児出産・早産**・・・妊娠中の歯周病は、早産や低体重児出産のリスクを高めることが報告されています。
歯周病治療は、お口の健康だけでなく、全身の健康を守ることにもつながるのです。
まとめ:歯周病治療は計画的な通院と継続が鍵
歯周病治療の通院回数は、症状の進行度によって大きく異なります。
軽度であれば2〜6回程度、中等度で6〜10回程度、重度になると10回以上の通院が必要になることもあります。ただし、適切な治療を受け、正しいセルフケアを続けることで、確実に改善へと向かいます。
治療を効率的に進めるためには、予約を守り計画的に通院すること、ブラッシング指導を真剣に受けること、生活習慣を改善することが重要です。そして何より、治療後の定期メンテナンスを継続することが、良好な状態を長く保つ秘訣です。
当院では、日本歯周病学会のガイドラインに沿った歯周病治療を実施しています。専門ドクター複数人で治療計画を立て、患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療をご提供します。
歯周病でお悩みの方、通院回数や治療期間について詳しく知りたい方は、ぜひ一度ご相談ください。小さなお子様からご年配の方まで、幅広い世代の方に安心して通っていただける歯科医院を目指し、丁寧な対応を心がけています。
歯周病治療について、さらに詳しい情報や治療のご相談は、阪東橋歯科クリニックまでお気軽にお問い合わせください。24時間ネット予約も受け付けております。
著者情報
阪東橋歯科クリニック 院長 瀧川 龍一

経歴
・日本大学中学校・高等学校 卒業
・日本大学松戸歯学部 卒業
・日本大学松戸歯学部臨床研修医 修了
・日本大学松戸歯学部顎口腔機能治療学講座 非常勤医員
・横浜市歯科医院にて副院長
・都内歯科医院にて分院長
・厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
所属
日本歯科補綴学会
クラ・ゼミ保育園 吉野町 園医
ララランド横浜伊勢佐木 園医









