歯石取りのあとに注意することは?当日から数日の過ごし方と生活のポイント

歯石取りは歯周病予防のために欠かせない処置です。

しかし、処置後の過ごし方によって歯ぐきの回復や症状の感じ方が変わることをご存じでしょうか?

歯石除去後には一時的にしみたり痛みを感じることがあります。これは歯石が取れて歯の表面が敏感になっているためで、多くの場合は2~3日程度で落ち着きます。適切なケアを行うことで、快適に過ごせるようになります。

本記事では、歯石除去後に起こりやすい症状や、当日から数日間の生活で注意したいポイントについて整理します。食事や歯磨きの注意点、知覚過敏が出た場合の対処など、歯石取り後のセルフケアについても解説します。

歯石取り後に起こりやすい症状

歯石除去の処置を受けた後、いくつかの症状が現れることがあります。

これらは一時的なものがほとんどですが、症状を理解しておくことで安心して過ごせます。

歯がしみる・痛みを感じる

歯石を取った後、冷たいものや熱いものがしみることがあります。

歯石のつきやすい歯の根(歯根部)は軟らかく、刺激を感じやすい部分です。歯周病がやや進んでいる方の歯石を除去すると、歯ぐきが健康的に引き締まり、歯ぐきの腫れで覆われていた歯根部が露出します。そこに直接刺激があたるため、しみたり痛んだりすることがあります。

また、長期間にわたってついた大きな歯石を削り取ったときに、歯の表面が敏感になって、知覚過敏のような症状が出る場合があります。こうした症状の多くは一過性で、だんだん軽くなります。

歯ぐきからの出血

歯石が歯と歯ぐきの間に沈着したままになっていると、歯ぐきが炎症を起こして出血することがあります。

症状が進行すると、軽く歯ブラシの毛先があたっただけでも出血してしまうこともあります。歯石取りを行うことで、歯ぐきが健康になり出血しにくい状態をつくることができます。

歯の裏側に違和感がある

歯石は歯と歯の間を塞ぐように付着しています。

とくに歯の裏側はブラッシングでも落ちにくく、歯石がたまりやすい場所です。そのため、歯石除去後には歯と歯の隙間が露出し、舌があたったときに違和感を覚えることがあります。このような違和感も時間とともに慣れていきます。

歯石取り当日の過ごし方

歯石除去の処置を受けた当日は、いくつかの点に注意して過ごすことが大切です。

食事の注意点

歯石除去後の当日は、歯にしみやすい食べ物を避けることをおすすめします。

歯にしみやすいのは、熱いもの、冷たいものです。なるべく常温のものを飲食するようにして、痛みが出るかどうか様子を見ましょう。また、辛い食べ物や酸っぱいものなどの刺激の強い食べ物は避けるようにしましょう。

歯の表面が削られて傷ついていますので、その部分を刺激しないように配慮が必要です。

歯磨きの方法

歯石取り後の歯磨きは、やわらかめの歯ブラシを使ってやさしくブラッシングしましょう。

歯の表面が敏感になっているため、強く磨くと痛みを感じることがあります。毛先のやわらかい歯ブラシで、丁寧にケアすることが大切です。

また、知覚過敏用の歯磨き粉を使うと治りが早い場合があります。ただし、効果には個人差があります。

飲酒や喫煙について

歯石取り当日は、できるだけ飲酒や喫煙を控えることをおすすめします。

アルコールは血行を促進するため、歯ぐきからの出血が増える可能性があります。また、喫煙は歯ぐきの回復を遅らせる要因となります。歯ぐきの健康を保つためにも、当日は控えめにすることが望ましいです。

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歯石取り後2~3日間のケア

歯石除去後の2~3日間は、歯ぐきの回復にとって重要な期間です。

痛みやしみが続く場合の対処法

歯石除去の治療後に歯がしみたり痛みが出た場合、通常は2~3日程度でおさまります。

しかし、自然におさまらない場合は、他に痛みの理由があるかもしれません。痛みが長引く場合は、かかりつけの歯科医師に相談しましょう。

歯周病が進行していた場合や、歯ぐきや歯根に他の問題がある場合は、痛みやしみが長期間続くことがあります。

歯ぐきの腫れや出血への対応

歯石を取り除くことで、歯ぐきの炎症が改善され、出血が減っていきます。

ただし、処置直後は一時的に歯ぐきが敏感になっているため、丁寧なブラッシングを心がけることが大切です。強く磨きすぎると、かえって歯ぐきを傷つけてしまうことがあります。

歯肉縁下の歯石も歯茎が引き締まれば沈着しにくくなります。

日常生活での注意点

歯石取り後の数日間は、激しい運動や長時間の入浴を避けることをおすすめします。

血行が良くなりすぎると、歯ぐきからの出血が増える可能性があります。また、十分な睡眠をとり、体調を整えることで、歯ぐきの回復を促進できます。

知覚過敏が出た場合の対処法

歯石取り後に知覚過敏の症状が出ることがあります。

知覚過敏とは

知覚過敏は、歯の表面のエナメル質が削られ、その下にある象牙質が露出し、神経への刺激が強く伝わってしまう状態です。

むし歯と知覚過敏の違いは、ご自身ではなかなか区別ができません。気になる症状がございましたら一度ご相談ください。

知覚過敏用の歯磨き粉の活用

知覚過敏用の歯磨き粉には、象牙質の微細な穴を塞ぐ成分が含まれています。

これにより、神経への刺激を軽減し、しみる症状を和らげることができます。ただし、効果には個人差があるため、症状が改善しない場合は歯科医院で相談することをおすすめします。

症状が長引く場合の受診のタイミング

歯石取り後の痛みやしみが1週間以上続く場合は、歯科医院を受診しましょう。

他の原因が隠れている可能性があります。早めの受診により、適切な治療を受けることができます。

歯石取りの効果とメリット

歯石除去には、さまざまな効果とメリットがあります。

歯周病を予防・改善できる

歯石除去をして口腔内から歯石がなくなると、プラークが溜まりにくくなります。

歯周病の原因菌が生息するプラークが溜まりにくくなれば、歯周病の予防につながります。また、すでに歯周病を発症している方にとっても歯石除去は重要です。プラークと同様に歯石を徹底的に除去することで、歯周病の改善が見込めます。

溜まった歯石を放置して歯周病の進行を許してしまうと、やがて歯を支える顎の骨(歯槽骨)が溶かされ、歯茎が下がっていきます。歯周病によって下がってしまった歯茎を元に戻す「再生治療」はありますが、程度によっては元どおりにならない可能性もあります。

口臭を予防できる

歯石自体が臭いを発するわけではありませんが、歯石があるとその表面にプラークが溜まりやすくなります。

そうなると口腔内が不衛生になり、口臭が発生しがちです。さらに、歯周病にかかって歯茎に炎症が起きると口臭が強くなっていきます。歯石除去によって口腔内を清潔に保ち、健康な歯茎を維持できれば口臭も予防・軽減することができます。

口元の見た目が良くなる

歯石は、歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)にこびり付くように溜まっていきます。

歯周ポケットの内部に溜まった歯石は外から見えませんが、歯茎の縁より上に溜まった歯石は外からでも見えることがあります。歯石が溜まった口元を見られたら、印象ダウンは避けられません。歯石除去によって口腔内の歯石を取り除いていれば、いつも見た目の良いきれいな口元を維持できます。

歯石取りの頻度と定期健診の重要性

歯石取りは一度行えば終わりではありません。

定期的なメンテナンスが、お口の健康を守る鍵となります。

推奨される歯石取りの頻度

歯石取りの頻度は、お口の状態によって異なります。

一般的には、3ヶ月に一度くらいの頻度で歯科医院で歯のクリーニングを受けると、歯石の出来にくいお口の環境になります。歯周病のリスクが高い方や、歯石が溜まりやすい方は、より頻繁な受診が必要になることもあります。

定期健診のメリット

定期健診を受けることによって、もしもむし歯や歯周病になってしまった場合でも初期の段階で治療を始められます。

早期発見で痛みも少なく、治療も最小限に抑えられます。また、定期的に予防ケアを行ったり定期健診で歯の状態を確かめることで、むし歯・歯周病を未然に防ぐことができます。

年に数回、定期的に予防歯科を受診することでむし歯や歯周病を予防できれば、結果的に医療費の節約にも繋がります。

セルフケアの習慣づけ

歯石取りのあとのしみや痛みを抑えるためには、歯ブラシや歯間ブラシ、フロスなどでしっかり掃除する「セルフケア」を習慣づけることが大切になります。

毎日のブラッシングだけでは落としきれない汚れや着色を、専門器具を用いて清掃するPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)を定期的に受けることも効果的です。

まとめ

歯石取り後の過ごし方は、歯ぐきの回復に大きく影響します。

当日は刺激の強い食べ物を避け、やわらかめの歯ブラシでやさしくケアすることが大切です。一時的なしみや痛みは2~3日程度で落ち着くことがほとんどですが、症状が長引く場合は早めに歯科医院を受診しましょう。

歯石除去は、歯周病予防や口臭予防に欠かせない処置です。定期的なメンテナンスと日々のセルフケアを習慣づけることで、健康な歯と歯ぐきを維持できます。

阪東橋歯科クリニックでは、日本歯周病学会による歯周病治療ガイドラインに沿った歯周病治療を行っています。歯石取りや予防歯科について、お気軽にご相談ください。

詳しくは阪東橋歯科クリニックまでお問い合わせください。

著者情報

阪東橋歯科クリニック 院長 瀧川 龍一

経歴

・日本大学中学校・高等学校 卒業

・日本大学松戸歯学部 卒業

・日本大学松戸歯学部臨床研修医 修了

・日本大学松戸歯学部顎口腔機能治療学講座 非常勤医員

・横浜市歯科医院にて副院長

・都内歯科医院にて分院長

・厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医

所属

日本歯科補綴学会

クラ・ゼミ保育園 吉野町 園医

ララランド横浜伊勢佐木 園医